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My journey:母性のヨーガを学んで
Eri Uchiyama


●看護師としての模索
motherhoodと出会うまでの私は、看護師として模索を繰り返していました。 病や障がいがあってもその人らしくいるための関わりがしたいと、 卒後5年を経て、地域医療のフィールドに飛び込みました。

その人らしくを支えるとはどうゆうことなのか、生活や想いに目を向けることから始まりました。 まちなかに保健室という場づくりにも取り組みました。体のこと、自分のこと、これからのことをじっくり考える場・話せる場を作りたい、看護師として誰かの力になれたらという思いで始めた活動でしたが、 気がつくと近隣の方、利用される人、協力してくださる人など沢山の人達支えられて、形になっていくのを経験しました。
 
そのあたりから医療者としてのスタンスを見つめ直すようになっていったように思い返します。 特に終末期医療の現場に立ったとき、医療者として自分が何のためにいるのか、考えるようになりました。 いかなる病も生活の課題も、医療だけで解決できるものではなく、 当事者が選択し、これでいいんだと思える道に辿り着けるよう、そこに居続けることが唯一できることでした。
 
医療の知識、経験をもって、
心身の変化や今後の見通しを伝えること、
その上でできることは何か考え取り組むこと。
試行錯誤を繰り返しました。
同時に自分に問い続けました。

自分はこれでいいんだと
思える人生を歩んでいるのかって。
真っ先に浮かんでくるのは、
自身の子育てでした。
 
結婚後なかなか授からず、いつになったら家族になれるんだろうと夫婦の形に悩んだこともありました。 流産も経験し、もう子どもに固執せず、私自身やりたいことを精一杯やろうと決意し、地域医療に飛び込んで、無我夢中でチャレンジしていました。 チャレンジの最中、待望の長男を授かり、続けて長女を出産。仕 事はとても刺激的で楽しく、子育てともバランスも上手く取っていると思いつつも、 なぜだか時々ドキッとしてました。これが我が家のバランスだって、胸を張って言える自信はなかったように思います。
 


そんな時、3人目の妊娠が分かりました。
そしてマタニティヨーガに出会いました。
 
●小さな命に向き合う時間
マタニティヨーガは、
静かに自分の体や呼吸に集中し、
お腹の中の赤ちゃんに
意識を向ける時間でした。

重ねる度に、
小さな命に大きな生命力を
感じていきました。
フルタイムで働きながらも、
月1-2回のマタニティヨーガが、
自分にとって大切な時間に
変わっていくの感じました。

迎えたお産。
マタニティヨーガを重ねる中で気づいた
赤ちゃんの個性のような
この子らしさのようなもの。

まだ見ぬお腹の中の赤ちゃんに、
生きる力強さや、
一緒に乗り越えるんだという
気持ちが自然と湧き起こってきました。
 
痛みや恐怖に臆病な私が、
押し寄せる陣痛を波のように感じ、
赤ちゃんと一緒に呼吸を合わせながら
出産したことは、
自信というか何か自分に安心したような、
やっとこれまでの自分を包み込めるような
安らぎを感じました。
 


それからまもなく、バースライトの母性のヨーガを学ぶチャンスがあることを知り、 参加することは自分の中で、すぐに決まりました。 赤ちゃんの力を信じて、 一緒に乗り越えようとしたお産を経て、 子育てと向き合うことにした私。
 
3回目の子育てでやっと分かってきたことや、看護職として成長・発達について持っている知識が役立っている部分や、そのための余裕ももちろんあるとは思いますが、 マタニティヨーガ・ベビーヨーガの中で培われた、赤ちゃんとの関係性が、 なんとも心地よく、子どもたちに対してに限らず、自分や家族に対してもおおらかになれることが増えました。
 

●母性のヨーガを学んでからの日々
母性のヨーガを学び、 年の近い三人の子どもとにぎやかな日々に奮闘しながらも、 今は神社や子育て広場で産前産後のヨーガクラスの開催と、保健師として新生児訪問の仕事にも携わっています。

母性のヨーガを学んだことで、
人と比べず
私達親子のペースを楽しむこと
赤ちゃんの反応を確かめること
「好き」を大事にすること
お互いを知ること
私が安定することで
赤ちゃんのペースも導けること
自身の末っ子とのヨーガの
経験と相まって、
たくさんの発見がありました。
 
けれど、末っ子との関わりが充実すればするほど、上の子ふたりとのこれまでの関わりが、 これでよかったのかな、 もっとこうできてたらなと思うことが多々溢れてきました。 後悔のような、少し辛くなる感情でした。
 
それでも、産前産後のこの小さなクラスを続ける中で、3人の子どもたちのこと、成長の過程など、思い浮かべることが沢山増えました。

クラスでお母さん達の話を聞きながら、 私はどうだったかなと記憶を辿り、 心配でたまらなかった気持ち、 なかなかうまくいかないけど 試行錯誤したことなどを思い出します。 毎日に精一杯で何もできなかったと思ってきていた長男長女との日々も、 思い返し言葉にしていく度に、 あの時は自分なりに一生懸命関わってきたんだなと、
肯定できる瞬間が増えました。
 
同時に、
教科書では学べない
リアルな悩みや忍耐、数々の工夫を
出会う親子さんからも教わっています。
体重の増えがよくない、
離乳食が進まない、
周りの子より発達が遅くて心配…
赤ちゃんにどのように関わればいいのか、
赤ちゃんのためにできることを
お母さん達は一生懸命に探しています。
そして、頑張っているけど、
結果や答えがいつ出るのか
これで大丈夫なのか不安でたまらない。
 


そんな風に感じます。 赤ちゃんそれぞれの発達のペース、 すべての関わりが赤ちゃんのためになっているんだということ、 お母さんがいつだって赤ちゃんと同じ目線でいるから心配になるんだってこと、

それが当たり前だってこと、
知識・経験と、
自分の記憶を重ねながら、
言葉を選ぶようになりました。
それでいいんだ、って、
安心して進めるように。

環境を整え、その人の力を
最大限に引き出す看護の基本を、
産前産後のヨーガのクラス、
生まれたての赤ちゃんを育む
新生児訪問の現場、
3人の子の成長を見守る我が家で、
実践しているのだと感じています。
 
専門職として発達を見守る経験と、
自身の子育てを振り返る時間。
そのように感じるようになってから、
看護職である自分と、
子育てに奮闘する母としてが、
繋がって、より自然体で
いられるようになりました。
 
産前産後のヨーガのクラスは、以前挑戦したまちなかでの場づくりとも繋がっています。
誰かのために、そして私のために、ここにいるのだと今は自信を持って言えます。

●続けていく勇気
ヨーガ初心者の私が、クラスを継続することについては、時に迷いや不安も生じますが、
研修でできた母性ヨーガ仲間の存在、 自身のヨガteacherであるリヴライトの留美先生の存在もとても大きいです。 仲間が同じように、 自身の子育てや家族との関係性を見つめながら頑張っていることに励まされ、刺激を受けますし、 study dayとしてみんなで集まり、情報交換や実践していく上での悩みの共有ができる場もあります。 一度学んで終わりではなく、 学び、気づき、それを確かめ合って支えあい、 移り変わるライフステージの中で、大切にしていきたいことがmotherhoodでずっと繋がっていくのを感じます。
 

 
研修を学んでから2年。
1番上の息子はこの春小学校に入学しました。 自立し、少しずつ目の届かないところへ進んでいくことを不安に思ったり、 親子の見えない繋がりに、 自信が持てなくなるときもあります。

でもそれも等身大の私。 慌ただしい毎日ではありますが、 これからもこれでいいんだと自分を包み込めるように、 少しずつでもそこに喜びを感じながら、家族や仲間とともに歩んでいきたいと思います。
 

 
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